2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20860054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中本 将嗣 Osaka University, 工学研究科, 特任助教 (80467539)
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Keywords | 界面物性 / 酸化物融体 / 濡れ性 / 界面張力 / 界面反応 |
Research Abstract |
固体基板上の液滴の挙動である濡れ現象は金属精錬分野などあらゆる生産プロセスで重要な役割を果たしている。気体-液体-固体各界面で反応を伴う場合、濡れは時間的に変化し(動的濡れ現象)、この動的濡れ現象により反応に関与する界面積の増減、また界面自身の不安定性がプロセスの制御や効率に大きく影響する。その重要性からこれまでにも同現象の機構を解明すべく数々の研究がなされてきたが、異相界面での現象を取り扱う複雑さから十分には理解されていないのが現状である。 昨年度確認したCO_2-CO雰囲気からArに切り替えることより起こる固体Cu基板上のNa_2O-SiO_2液滴の動的界面現象に関して、本年度はNa_2O-SiO_2液滴との反応性が固体Cu基板よりも少ないと考えられる固体Pt基板、固体Au基板を用いて、液滴-基板間の同現象への影響を排除しNa_2O-SiO_2液滴の動的界面現象の観察を試みた結果、以下の知見を得た。固体Pt基板の場合、Na_2O-SiO_2との濡れ性(接触角)が6°程度と非常に良いことがわかった。しかしながら、良好な濡れ性のため動的な界面物性値(接触角)の評価が困難であった。一方、固体Au基板の場合、接触角が55°程度であり動的な界面物性値(接触角)の評価が可能であったが、固体Cu基板で観察された動的濡れ現象は観察されなかった。この結果から固体Cu基板の場合の動的濡れ現象はNa_2O-SiO_2液滴とCu基板間のCuの移動が関与している可能性があることがわかった。
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