2008 Fiscal Year Annual Research Report
高潮推算精度の向上化と避難行動に基づく避難シミュレーター構築に関する研究
Project/Area Number |
20860056
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
金 洙列 Tottori University, 工学研究科, 助教 (60508696)
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Keywords | 高潮推算 / coupled model / 波・高潮・潮汐 / 避難行動 / 気象モデル |
Research Abstract |
高潮被害による避難シミュレーションのためには正しい水位評価が必要とする.波と流れの相互作用を考慮した底面抵抗係数を推定と経済的な計算領域の構築に関する研究を行い,研究代表者が開発した結合モデルに適用し修正を行った.次のような結合モデルの高潮推算精度の向上化を目指した. 1.日本海に接している境港では台風来襲時観測された水位変動から最大高潮が台風が過ぎてから約15時間後に表すことがわかった.このような高潮発生特性に関して,正しい発生メカニズムを理解するために結合モデルを用いて数値実験を行った.高潮推算に最も重要なのは正確な風と気圧の気象場である.この気象場を推算する手法としてよく使われるのは観測値に基づいた経験モデルである.方,日本海に接している沿岸領域の場合,経験式による高潮推算の数値解は収斂しにくいことがわかった.この結果に対して,気象場を数値的に解く気象モデルを用いた場合,異常高潮の再現性が高くなることがわかった.その理由として,台風通過後に発生する複雑な風向により外側から上昇した水位が沿岸領域に伝わって来るメカニズムが明らかになった. 2.瀬戸内海に発生する高潮の場合も台風の気象場が地形の影響を受け,経験モデルより気象モデルを用いた結果が高潮再現性が高くなることがわかった. 3.気象モデルはまだ極端台風の再現に限界があることが明らかになったことから,巨大台風に伴う高潮再現が可能な経験モデルの開発を進めた.
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