2008 Fiscal Year Annual Research Report
農村地域における空き家活用システムの運用実態調査と評価
Project/Area Number |
20860059
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 幸子 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 助教 (30509526)
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Keywords | 農村地域 / UIターン / 改修助成金 / 空き家 / 地方自治体 / 地域資源 / 定住促進 / 住宅政策 |
Research Abstract |
平成20年度は空き家活用事業方式のうち、「助成金」型システムに着目し、システムを導入している自治体に対する聞き取り調査を実施し、運用実態と現状の問題点を明らかにした。また「情報提供」型システムを導入している自治体の予備調査を行った。 1)「助成金」型システムの実例検証 ・空き家改修助成制度を導入している自治体をインターネットを利用して検索した結果、14自治体が該当した。これらの自治体に対して助成制度の内容に関するアンケート調査を電話・メールにて行い、その中で実績が多い又は助成額が高額である8自治体を選抜し、詳細な聞き取り調査を行った。 ・改修助成制度導入自治体においては、空き家登録制度や契約時のサポート体制も整えられ、充実した情報提供事業がなされている。助成額は100〜200万円と高額な自治体も存在するが、一方で行政の財政的・業務的負担や、転入者限定の制度に対する地域住民の理解が得られない等の問題があり、現状では期間限定の制度となっており、事業を継続していくことが困難であることが明らかになった。 ・助成制度実施自治体や現在は実施していない自治体においても、助成制度の重要性は認識されており、継続していくための新たな制度作りが望まれている。本研究成果は、持続可能な制度として展開していくための助成制度のあり方を検討する上で、重要性を有していると言える。 2)「情報提供」型システムの予備調査 ・西日本地域で「情報提供」型事業に取り組んでいる101自治体を抽出し、電話・メールによる聞き取り調査を行った。 ・自治体の事業方式は、空き家及び利用希望者登録制度,不動産・宅建業者との連携の有無により違いが見られた。自治体の業務負担が最も少ない「情報提供のみ」タイプが典型的だが、登録制度と不動産等の連携を併用する「登録制度+不動産連携」タイプは、現状の課題を解決する有効な方式であることが明らかになった。
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