2009 Fiscal Year Annual Research Report
理論的アプローチを用いた低温作動型SOFC用固体電解質の開発
Project/Area Number |
20860062
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野尻 能弘 Kyushu University, 水素エネルギー国際研究センター, 特任助教 (50512696)
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Keywords | 固体酸化物型燃料電池 / 固体電解質 / ランタンシリケート / 低温作動型燃料電池 / 酸化物イオン導電体 |
Research Abstract |
平成21年度に実施した実験の成果に関して 1) 本研究で取り扱う固体電解質電極について 2) 電極材料について 以上2点について以下に示す。 まず、1)に関して、量子化学計箪から、本研究で取り扱う固体電解質の導電性は、従来報告されてきた、c軸方向の導電性だけでなく、ab面方向の導電性も向上させうる可能性が示された。その結果を確認するため、La_<10>Si_6O_<27>にBaを部分置換し、意図的にSiを囲むOサイトへ欠陥を形成する実験を行ったところ、導電性が向上した、その結果と、SPring8(BL19B2)における構造解析の結果とあわせて論文に執筆した。論文中において、量子化学計算結果の取り扱いに関しては、計算時に3次元拡張を行っていないことや、実験的に特定したBa位置を用いていること、などから活性化エネルギーに関しても定性的な議論しか行えないため掲載を見合わせた。 次に2)に関しては、従来のSOFCに用いる空気極材料が全て、酸素空孔の移動に伴うイオン伝導機構を有している。そのため、ZrO_2等の従来型固体電解質には滴していても、本研究で取り扱う酸素過剰型固体電解質の空気極として用いると、電解質と空気極の界面で、酸素空孔と過剰酸素の会合が起こり、固体電解質の性能を充分に引き出せない可能性がある。そのため、酸素過剰型酸化物であるLa_2NiO_<4+δ>に着目し、現在実験を行っている。また、燃料極用触媒として平行して開発していた、メソポーラスCeO_2はZrO_2を50%含むものの、合成の目処が付き、さらには600℃まで構造の維持が可能であることが判った。さらに細孔径を最適化してRuの担持を行えば、中温作動型SOFCによるバイオガスなどの直接改質も可能となる。
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Research Products
(2 results)