2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体と類似の構造を有する再生医療用人工末梢神経構築手法の開発
Project/Area Number |
20860063
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武井 孝行 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (90468059)
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Keywords | ファイバー / ヒドロゲル / 生体模倣 |
Research Abstract |
中空ヒドロゲルファイバーのサイズの制御 本研究では、中空ヒドロゲルファイバーを人工末梢神経組織の鋳型として使用することを提案している。従って、ニューロンを配置するゲルファイバー中空部のサイズ、およびシュワン細胞を配置するファイバーゲル壁の厚みを制御することは極めて重要であるため、ファイバー調製条件がそれらに与える影響を調査した。3重円筒管の内筒から押し出すデキストラン水溶液、および中筒から押し出すアルギン酸ナトリウム水溶液の合計流量を一定にし、それら2流体の流量比を変化させたところ、ファイバー外径をほとんど変化させることなく中空径のみを自在に変化させることが可能であった。また、ファイバーの外径は中筒内径および外筒から押し出す塩化カルシウム水溶液の流速を変化させることでも制御可能であった。以上のように、複数の操作因子によりゲルファイバーの中空径およびゲル壁厚みを制御することが可能であった。 ゲルファイバー調製プロセスが動物細胞に与える影響 本検討では、包括する動物細胞に傷害を与えることなくファイバーの調製が可能であるか調査した。その結果、上記検討でのほぼ全てのファイバー作製条件において、動物細胞が傷害を受けることはなかった。 ファイバー材料の調製 本研究でファイバー材料として使用しているアルギン酸ゲルは細胞接着性を有していない。そこで、天然多糖にアルデヒド基を付与した架橋剤を調製し、それが細胞接着性を有するタンパク質であるゼラチンの架橋に有用であることを証明した。また、この架橋剤を用いてアルギン酸とゼラチンからなるゲルが細胞接着性を有することを確認しており、本ゲルがファイバー材料として有用であることを示した。
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Research Products
(1 results)