2008 Fiscal Year Annual Research Report
制約を有する系に対するロバスト制御系設計法の開発とその実験的検証
Project/Area Number |
20860064
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
原 尚之 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (10508386)
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Keywords | 制御工学 / モデル予測制御 / 拘束系 / ロバスト性 / 特異値分解 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,1.外乱抑制を可能とする低次元化モデル予測制御法,2.振動ダイナミクスを有する系に対する制約補償法,の開発をおこなうことである.本年度に行った研究成果はっぎのようにまとめられる.1.外乱抑制を可能とする低次元化モデル予測制御法:はじめに,制御系に印加される未知外乱の抑制を図るため,min-max型の評価関数を導入し,評価関数の値を最大にする最悪外乱波形を明らかにした.つぎに,入力制約を有する離散時間系に対し,この評価関数を導入したモデル予測制御問題を考え,低次元化した最適化問題から外乱を考慮したモデル予測制御を構成する方法を導いた.ここで導出した制御則を数値シミュレーションで検討した結果,従来の低次元化モデル予測法に比べ外乱の抑制性能が大幅に向上することが確認された.今後はこの成果をもとに,(a)状態制約を課した場合に対する制御則の導出,(b)実機による検証,をおこなう予定である.2.振動ダイナミクスを有する系に対する制約補償法:既に構成された閉ループ系において,補助的に加える補償入力と制御器の状態設定を適切に表現する系の数学的記述を準備した.つぎに,補償入力と制御器の状態量を入力,これらにより発生する信号を出力と定めた一般化した系に対し,主要な入出力関係を明らかにする方法を特異値分解に基づき導いた.そしてこの結果を利用し,制御系に課された入出力を満足させる補償則の設計法を導いた,今後は,制御系の制約に加え,モデル化されなかった振動ダイナミクスも同時に考慮した設計法を導く予定である.
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