2009 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波吸収・遮へい材料の評価及び反射・透過特性測定装置の開発
Project/Area Number |
20860065
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山本 真一郎 University of Hyogo, 工学研究科, 助教 (10514391)
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Keywords | 電磁環境 / EMC / 電波吸収体 / 電磁遮へい材 / 反射・透過特性測定装置 |
Research Abstract |
本研究では、不要電磁波対策として使用されている電波吸収体、電磁遮へい材の評価について、マイクロ波からミリ波帯において検討を行った。 電波吸収体の評価では、まず異方性電波吸収体の方向性の軸の周波数依存性について検討した。具体的には、有限長金属線を一方向に配列させた試料を二種類(試料(A)、(B))用意し、それらを互いの方向性の軸が一致しないように積層させた試料を作製した。反射係数行列の対角化による評価法により方向性の軸を求めた結果、例えば8GHzでは方向性の軸は試料(A)の方向に、11GHzでは試料(B)の方向となることを確認した。本構成法により、方向性の軸が任意に設定可能となった。 次に、実用を考え、ミリ波帯(50~75GHz)において電波吸収体の反射特性が測定可能な装置を試作した。本装置の測定試料台に上下移動機構を設けることにより、反射波の位相成分も測定できる工夫を加えた。種々の電波吸収体を評価した結果、妥当な結果が得られた。本装置によりミリ波帯において電波吸収体の複素反射係数が簡便且つ正確に測定可能となった。 電磁遮へい材の評価では、平成20年度に作製した透過係数測定装置を用い、種々の電磁遮へい材の透過係数を測定した。また、本測定装置内部の測定試料窓周辺をピラミッド型電波吸収体で完全に覆うことによりダイナミックレンジ(測定試料台に金属板を設置したときの値と何も設置しないときの値との差)を改善することができた。本装置では、送信アンテナ及び測定試料を任意に回転できるようにしている。この特徴を利用し、電磁遮へい材の入射波偏波依存性が測定できることを確認した。本装置は非常にコンパクトに構成されており、試料取り扱いも容易であるため、実用において遮へい材を評価するために非常に有効な手段である。
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