2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属超微粒子担持ソリッドイマージョンレンズの作製と機能評価
Project/Area Number |
20860069
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
岸 哲生 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 助教 (90453828)
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Keywords | 応用光学 / セラミックス / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本研究は、光の回折限界を超える分解能を有するSolid Immersion Lens (SIL)と表面プラズモンに基づく光学特性を発現する金属微粒子を組み合わせた顕微分光計測用素子の開発を目的とする。SILは超半球状(球の一部を切り取った形状)のレンズで、光の波長以下の領域からの信号光を読み出すことができる。一方、金属超微粒子の表面プラズモンは、粒子表面近傍の環境の変化を高感度に検出することを可能にする。これらを組み合わせることで微小物質からの微弱信号光の検出に有効な光学素子が実現できるものと考えられる。今年度の研究では、我々がこれまでに開発してきた、ガラス融液と基板との濡れ性を利用してガラス超半球を作製する技術(StM法)を発展させ、金微粒子担持超半球型SILを一括成形する手法の開発を行った。まず、グラッシーカーボン基板にスパッタ法により金薄膜をコーティングし、熱処理することで金微粒子を基板表面に析出できるか検討した。その結果、金薄膜のコーティング厚さを最適化することで粒径100nm以下の金微粒子を基板上に分散して形成可能であることを明らかにした。この金薄膜被覆基板上にガラス融体を保持すると、ガラス融体は超半球状に変形し、その底部平坦面に金微粒子が直接担持されることがわかった。この金微粒子の粒径および分散状態が、基板上に形成されたものとほぼ同一であることから、本手法では基板表面に形成される金微粒子がガラス超半球の底面にそのまま転写されるものと考えられる。さらに、作製した試料からの表面プラズモン共鳴吸収を確認し、本手法により得られる光学素子が、所望の特性を発現可能であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)