2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20860078
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中尾 尚史 Ritsumeikan University, 総合理工学研究機構, 研究員 (50514171)
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Keywords | 構造工学 / 耐震工学 / 流体工学 / 津波 / 落橋防止ケーブル |
Research Abstract |
これまでに沿岸域の国は津波によって幾度も被害を受けており,津波によって桁が流失し橋梁の機能が破壊される可能性が大いにある.しかし,橋梁構造物においては,津波外力が橋梁に作用した場合の具体的な応答や流体力の特性は解明されていない.よって,本研究は,津波が橋梁に与える影響を検討する.そして橋梁構造物の落橋を防止する落橋防止ケーブルにより津波への安全性を保障するために,津波が衝突した時の衝撃力や波圧などが作用した時のケーブル耐力や衝撃緩衝性能を水理実験及び数値解析により明らかにする.さらに橋梁に作用する津波外力の評価および落橋防止ケーブルの合理的な設計法を提案することを目的とする. 模型による津波実験では,学内予算で昨年度作成した実験装置を用い,基礎的研究として橋梁は長方形断面およびみぞ形断面模型を1/150モデルにして作成し実験を行った.実験では水槽に水を溜め,水が一定量に達してからゲートを一気に開放することにより津波を発生させ,それによって橋梁模型に作用する流体力や波高を測定した.その結果,水平方向の流体力は貯水高が小さい場合はピークの山が1つであるのに対し,貯水高が大きくなると,津波が模型に作用した直後に急激な力が作用し,ピーク値も短時間になることがわかった.また鉛直方向の流体力は長方形断面では津波が模型に作用した直後に急激な下向きの力が作用し,みぞ形断面では急激な下向きの力が作用しないことがわかった. 津波の数値解析では,津波が橋梁に衝突した状態をシミュレーションし,実験結果と比較検討した.解析では粒子法(MPS法)を用い,解析モデルは実験装置をモデル化し,その他の条件も実験と同じにして行った.その結果,長方形断面における数値解析で,粒子の粗さはあるが,津波作用時における橋梁周辺の流況は定性的に表現できた.
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