2009 Fiscal Year Annual Research Report
構造体コンクリートにおける中性化の予測精度向上による建築物の高寿命化技術の開発
Project/Area Number |
20860087
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
玉井 孝幸 Yonago National College of Technology, 建築学科, 准教授 (10511751)
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Keywords | 中性化 / 高寿命化 / 実大試験体 / 長期暴露試験 / 圧縮強度 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
本研究は、RC造の建築物を高寿命化することを目標としたものである。建築物の寿命を延ばすためには、維持管理が必須であるが、その時期が適正でないと性能を回復するために非常に多くのコストが必要である。RC造の代表的な劣化現象に中性化現象がある。これはコンクリートのアルカリ性が失われ、中性に近づき、鉄筋の腐食を防止することができず、構造的な性能が失われ寿命に至ってしまう。 コンクリートの中性化現象の研究の多くは、促進装置による室内試験で行われることが多く、現在用いられている中性化速度の予測式は促進試験の結果を基にしているが、実際の建築物の調査結果とは整合しないことも多い。これは実際の建物の結果に基づいて予測式の影響係数が設定されていないためである。そこで、本研究では、多くの促進試験による予測式の検証と、自然暴露された実大試験体を用いた調査結果に基づく環境影響係数の提案を最終的な目標として、実大試験体を自然暴露環境に置き、材齢20年に及ぶ長期間の調査を行うものである。このような長期間でかつ初期のコンクリート性状が明らかな調査研究は、世界的に報告事例は少なく貴重である 本年度は、試験体の製作に用いた、コンクリートのフレッシュ性状(空気量、スランプ、凝結、ブリーディング試験)の把握試験、コア供試体の材齢28、56、91日、標準養生された供試体の材齢3、7、28、56、91日、6ヶ月、封かん養生された供試体の7、28、56、91目、6ヶ月における圧縮強度試験、および反発度、超音波伝播速度、機械インピーダンス法による非破壊試験による圧縮強度試験の推定試験を行った。 本試験結果は、本申請期間が終了した後に行う中性化試験を分析するための基礎資料となる。最後に、今後10年や20年で再現実験ができるように、今回使用したコンクリートの材料(セメント、細骨材、粗骨材)はドラム缶に入れ保存している。
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