2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20860093
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小田 靖久 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 博士研究員 (60512209)
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Keywords | ミリ波 / プラズマ / ジャイロトロン / 位相補正ミラー / 放電発生条件 |
Research Abstract |
平成20年度は、大気圧ミリ波放電プラズマが持つフィラメント状構造の形成過程を明らかにするため、1MW級出力の170GHz大電力ジャイロトロンを用いて発生させたミリ波放電プラズマを、高速度カメラを用いて電離波面の進展過程の計測を行った。その結果、大気圧雰囲気の電離波面は、小さな電離プラズマスポットによって形成され、その軌跡がフィラメント状構造と一致することを明らかにした。電離プラズマスポットの軌跡は入射するミリ波ビームの空間分布の影響を受けるため、これを用いて放電プラズマのフィラメント状構造を制御できるものと考えられる。そこで、大電力ミリ波ビームの空間分布を制御するビームモード変換器の開発を行った。ミリ波の伝播解析に基づいたビーム面の位相計算によって設計を行い、2枚の位相補正ミラーの組み合わせによって構成されたフラットな分布をもったビームに変換するビームモード変換器の開発に成功した。 また、RFビームをチェンバー内に導入し、ヘリウム・アルゴン中において、大電力ミリ波ビームによる放電を発生させた。その結果、ヘリウム・アルゴン雰囲気では放電発生閾値が低下し、集光させていないRFビームを入射するRF透過窓の表面においても放電が発生することが明らかになった。放電発生の条件はチェンバー内のガス圧に依存しており、アルゴン・ヘリウムでは0.001気圧以上で放電が発生することを確認した。入射窓における放電の発生条件は、材料生成のような大電力ミリ波の応用において、RFビームの入射系の設計において重要なパラメータであると考えられる。
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