2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20860093
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小田 靖久 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 博士研究員 (60512209)
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Keywords | ミリ波 / プラズマ / ジャイロトロン / 位相補正ミラー / 衝撃波 |
Research Abstract |
ミリ波放電プラズマが持つフィラメント状構造の形成過程を明らかにするため、ビーム断面分布を制御した大電力ミリ波ビームを用いてミリ波放電プラズマを発生させ、その計測を行った。ミリ波放電プラズマは、その電離波面が小さな電離プラズマスポットによって形成されており、その軌跡がミリ波放電プラズマのフィラメント状構造を決定することが明らかになっている。入射するミリ波ビームの空間分布の制御によって、ミリ波放電プラズマのフィラメント状構造の形成を制御できるものと考えられる。 平成21年度は,170GHz大電力ジャイロトロンから出力されたガウス分布様の断面分布をもったミリ波ビームを、前年度に開発したビームモード変換器を通じてビーム中心のパワーが少ない円環状分布や、フラットピーク分布をもったビームに変換し、これらのビーム上でミリ波放電プラズマを発生させ、ビームの断面分布によるミリ波放電プラズマの挙動の影響を観測した。その結果、ビーム断面分布に応じ、電力密度が大きなところにプラズマが形成され、全体的な構造が変化することを確認した。さらに、ミリ波放電プラズマの発生によって生じる衝撃波を測定することにより、ミリ波放電プラズマによって吸収されたミリ波のエネルギーを評価した。実験では、ガウスビームの場合と比べ、フラット分布ではミリ波ビームの電力密度が低いため電離波面と衝撃波の伝搬速度が低くなるにもかかわらず、衝撃波による圧力上昇は逆に大きくなった。これはミリ波放電プラズマによって吸収できたエネルギーが増大したととが要因と考えられる。ミリ波放電プラズマによるエネルギー吸収は、ビームの分布による影響を受けることがわかった。
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