2008 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光圧を利用した大型・柔軟宇宙構造物の能動的姿勢制御に関する研究
Project/Area Number |
20860098
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
船瀬 龍 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 研究員 (70509819)
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Keywords | 柔軟宇宙構造物 / 大型宇宙構造物 / 姿勢制御 / 太陽光圧 / 制御工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,大型・柔軟宇宙構造物の姿勢を,太陽光圧を積極的に利用して能動的・安定的に制御する手法を確立することである. 平成20年度は,まず,電気的に光学パラメータを制御し太陽光圧によって姿勢制御トルクを発生可能な軽量薄膜デバイスとして,液晶を利用したデバイスを開発した.電源印加時と非印加時の光学パラメータ(鏡面/拡散反射率・吸収率・直線/拡散透過率)を計測し,電源ON時とOFF時に太陽光から受ける単位面積あたりの光圧の差としてデバイスの性能値を計測した.次に,デバイスの宇宙環境耐性の検証として,熱・真空・放射線環境に対する耐性を評価した.具体的には,デバイスの電源ON時/OFF時双方の太陽光吸収率(α)/赤外放射率(ε)を計測することで軌道上での温度環境を解析し,デバイスの軌道上での性能について恒温槽を用いて評価した.宇宙空間での真空環境対策として,デバイスを改良して液晶が宇宙空間に露出しない構造とし,高真空チャンバを利用して真空中でのデバイスの動作やアウトガス特性を評価した.放射線耐性については,電子線・陽子線照射試験を行い,試験前後の評価結果から,軌道上環境耐性を確認した.最後に,スピン型ソーラーセイルの姿勢制御を例として,姿勢制御システムとしての性能評価を開始した.具体的には,柔軟構造物である薄膜の力学的挙動を巨視的に模擬でき,かつ計算負荷の比較的小さい多粒子モデルをベースに膜面のダイナミクスモデルを構築し,開発したデバイスを搭載した際の姿勢制御則を設計した.
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Research Products
(3 results)