2009 Fiscal Year Annual Research Report
高等動物における新規の減数分裂特異的染色体分配因子の解析
Project/Area Number |
20870011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石黒 啓一郎 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 助教 (30508114)
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Keywords | 減数分裂 / 染色体分配 / 生殖細胞 / 細胞分裂 / 染色体 / 動原体 |
Research Abstract |
マウス精巣からセントロメアタンパク質CENP-Cに対する抗体を用いたaffinity精製及びCENP-Cをベイトにした酵母2 hybrid法により、減数分裂期セントロメアタンパク質の同定をおこなった。その結果、既知のキネトコア構成タンパク質群に加えて、生殖細胞特異的に発現する新規タンパク質Mei-CENPCBP1およびMei-CENPCBP2を同定するに至った。免疫蛍光染色法による検討の結果、Mei-CENPCBP1タンパク質は、減数分裂のPachytene期からMetaphae Iにかけて相同染色体の動原体に局在することが判明した。さらに精製Mei-CENPCBP1タンパク質複合体のLC-MS/MS解析による検討の結果からMei-CENPCBP1とPolo like kinasel (PLK1)との相互作用が示唆された。免疫蛍光染色法による検討の結果、PLK1はDiplotene期からMetaphase Iにかけてキネトコアに局在すること、さらにCDK阻害剤Roscovitineを用いた解析からは、Cyclin dependent kinase (CDK)によるMei-CENPCBP1のリン酸化とそれを介してのPLK1の結合が示唆された。減数第一分裂の際に2つの姉妹動原体は束ねられて1つに融合した構造として振る舞うことが知られているが、Mei-CENPCBP1タンパク質はPLK1を引寄せて還元分配に向けた相同染色体のキネトコア構造変換に関与しているのではないかと推測された。またもう一つの新規因子Mei-CENPCBP2は、減数分裂のdiplotene期からMetaphae Iにかけて二価染色体のAxial elementに局在することが判明した。現在生殖細胞でのin vivo解析を目指して、理化学研究所CDBとの共同研究によりMei-CENPCBP1遺伝子およびMei-CENPCBP2遺伝子の欠損マウスの作製に着手している。減数分裂時の染色体分配エラーによって生じる染色体数異常は早期流産やダウン症などの疾患をもたらすことが知られているが、その分子機構の解明は基礎生物学のみならず生殖医療面においても重要である。
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Research Products
(2 results)