2008 Fiscal Year Annual Research Report
マウス生殖細胞におけるナノス2結合タンパク質の同定と機能解析
Project/Area Number |
20870016
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 敦 Yokohama National University, 学際プロジェクト研究センター, 特任教員(助教) (60467058)
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Keywords | 生殖細胞 / RNA / Nanos / マウス / Deadenylation complex |
Research Abstract |
マウス生殖細胞の雄性分化は、RNA結合蛋白質であるNanos2によって制御されている。しかしながら、その分子的基盤については未だに不明である。本研究においては、Nanos2の結合蛋白質を網羅的に同定すると同時に、同定した蛋白質の機能を解析することによって、Nanos2との結合の生理的意義を明らかにすることを目指している。そうすることによって、生殖細胞の雄性分化を制御する分子ネットワークの全体像を明らかに出来ると期待している。以上の目的のために、Nanos2蛋白質を生体組織から効率的に単離するための遺伝子改変マウスを考案して提唱した。Nanos2を効率よく単離したいが、マウスのライフサイクルには約9週間もの時間がかかるというジレンマがあるものの、平成20年度において作製に成功し、現在、その数を増やしている。また、Nanos2結合蛋白質の候補であるD1BwgO121eについて培養細胞を用いて解析したところ、確かにNanos2結合蛋白質であることを確認できた。また、それ以外に、D1BwgO212eは単独でDeadenylation complexと結合することを発見したことから、D1BwgO212eをDeadenylation complexの新規な構成因子として同定することが出来た。今後は、D1BwgO212eがDeadenylation complexの活性などの生理的機能に関与する可能性について検討する予定である。 Nanos2もD1BwgO212eもRNA制御に関わることが深く示唆されていることから、生殖細胞の雄性分化には未だに明らかになっていないRNAの制御システムが存在する可能性がある。平成21年度の解析において、そういった制御メカニズムが明らかになることを期待している。
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Research Products
(4 results)