2009 Fiscal Year Annual Research Report
動原体タンパク質ブリンキンによる分裂期チェックポイント因子の局在化と機能制御機構
Project/Area Number |
20870023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清光 智美 Kyoto University, 生命科学研究科, 研究員 (10503443)
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Keywords | 動原体 / 分裂期チェックポイント / yeast 2 hybrid法 / ブリンキン / hMis12複合体 / hMis14 / Heterochromatin Protein-1(HP1) |
Research Abstract |
細胞分裂期における姉妹染色分体の均等な分配には、分裂期(M期)チェックポイントと呼ばれる監視機構が必須である。M期チェックポイント因子(Bub1,BubRl)は動原体に局在することで十分に機能を発現するため、これらの動原体局在化機構を分子レベルで解明することが、染色体均等分配の理解には必須である。またこれらの知識は人工的にM期チェックポイントの活性化を操作し医療に応用するための基礎を提供しうる。我々はBub1,BubR1と直接結合する動原体タンパク質ブリンキンを同定したが、両者の結合様式をより詳細に理解するために、実施計画に基づいて両者の結合最小領域の同定に成功した。さらに共同研究をすすめ、それらの部分断片の精製、結晶化にも成功した。X線構造解析の結果からは両者の結合制御に必須なドメインの存在が示唆されている。またブリンキンの局在制御を理解する目的で、動原体局在に必須なブリンキンの部分断片とhMis12複合体因子hMis14/DC8/hNsl1との直接結合を同定した。 hMis14はブリンキン以外にも、動原体タンパク質hMis13、Heterochromatin Protein-1(HP1)と異なるドメインで結合した。hMis14とHP1の直接結合は双方の安定な局在に必要であり、ブリンキンの安定な動原体局在にも必要だった(この内容はJCB誌に報告した)。これらの結果は、インナーセントロメアに局在するHP1が染色体分配に必要となる説明を可能にし、インナーセントロメア構造形成が動原体構造形成、およびM期チェックポイントにも関与しうるという新たな概念を提供した。
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