2008 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロニンGroELの新しい反応モデル構築と細胞内動態
Project/Area Number |
20870035
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 あゆみ Kanagawa Institute of Technology, 応用バイオ科学部, 准教授 (20454176)
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Keywords | シャペロニン / GroEL / 反応モデル / 細胞内動態 |
Research Abstract |
GroELの片側のリングのリセット(ADP、GroES、基質タンパク質の解離)は、反対側のリングへのATP結合によって起こると言われてきたが、フットボール型中間体の存在はこのことと矛盾する(両リングにATPが結合しているにもかかわらず解離していないため)。フットボール型中間体を組み込んだ新しいダブルストロークモデルを構築するためには、2つのリング間でどのようなやりとりがなされて、リリースのタイミングを制御しているのかを明らかにする必要が出てきた。そこで、フットボール型中間体に結合した2つのGroESの解離には秩序性があるのかを検討した。即ち、ATP加水分解が極端に遅くなったGroEL変異体を用いて、フットボール型複合体ができる際に先に結合したGroESが必ず先にリリースするのかを調べた。その結果、先に結合したGroESが先に解離することがわかってきた。まず両リングにATPが結合しATP加水分解がそれぞれのリングで始まるが、GroESが結合することで加水分解速度が速くなり、その結果GroESが先に結合した側の加水分解が先に終了するためこのような秩序性ができるのではないかと予想し、さらに詳細に解析している。2つのリングにおけるATP加水分解とGroES結合解離の順序の規則性を明らかにし、リング-リング間の構造変化と併せて考察することで、GroELの新しい作用機構が提案できると考える。
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Research Products
(9 results)