2009 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロニンGroELの新しい反応モデル構築と細胞内動態
Project/Area Number |
20870035
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 あゆみ Kanagawa Institute of Technology, 応用バイオ科学部, 准教授 (20454176)
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Keywords | シャペロニン / GroEL / 反応モデル / 細胞内動態 |
Research Abstract |
これまで、in vitroの生化学的な実験からシャペロニン反応機構を調べ、フットボール型反応中間体を組み込んだ新しいダブルストロークモデルを提唱している。シャペロニンGroELが細胞内でも新モデルに従って作用していることを検証する目的で、光反応性のアミノ酸アナログであるパラベンゾイルフェニルアラニン(pBpa)を目的タンパク質の特定の部位に取り込ませ、紫外線照射によって導入したpBpaと近接する別のタンパク質との間に架橋を形成させるin vivoクロスリンク技術を導入した。この技術は、細胞内において目的タンパク質と相互作用するタンパク質をアミノ酸残基レベルで解析できる他、目的タンパク質と相互作用するタンパク質を架橋によって安定に回収することをも可能にするので、寿命の短い反応中間体の単離・同定に役立つ強力な技術である。この方法を用いて、大腸菌内で1分子のGroELが2分子のGroESと結合したフットボール型複合体を単離できれば、in vitroの実験から我々が提案したダブルストロークモデルを、in vivoにおいても検証することができる。まず、GroESのGroEL結合部位のいくつかのアミノ酸残基にアンバー変異を導入した遺伝子を作製し、これをアンバーサプレッサーtRNA、pBpa特異的アミノアシルtRNA合成酵素とともに大腸菌内で発現させた。宿主にはゲノム上のGroESの発現をアラビノースの有無によって制御可能なMGM100株を使用し、大腸菌内のほとんどのGroESが変異型となるようにした。大腸菌がある程度生育した後、菌体に紫外線を照射して細胞内GroEL/GroES複合体を光架橋し、SDS PAGEにてクロスリンク産物の量を比較した。これにより、大腸菌内でGroELとGroESはクロスリンクすることが可能でることを示し、最もクロスリンク効率の良いGroESのアミノ酸残基を決定した。
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Research Products
(6 results)