2008 Fiscal Year Annual Research Report
毒ヘビ血清新規蛋白質SSPの蛇毒成分に対する分子認識機構の解明
Project/Area Number |
20870038
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
青木 成留実 (塩井 成留実) Fukuoka University, 理学部, 助教 (50510187)
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Keywords | 蛇毒蛋白質 / 毒蛇血清蛋白質 / 生体防御機構 / アポトーシス誘導蛋白質 / 生化学 |
Research Abstract |
本研究では、毒ヘビ血清新規蛋白質SSPsのCa^<2+>チャンネル結合性神経毒Triflinとアポトーシス誘導蛋白質Hv1に対する生理的阻害能、相互作用部位を調べ、SSPの分子認識機構を変異体を用いた生化学的な手法で明らかにすることを目的としている。 平成20年度の研究成果 1:ハブ血清低分子タンパク質(SSPs)の精製とSSP組換え蛋白質の調製 実験実施計画に記載した3段階クロマトの精製法により、ハブ血清6.0mlからSSP-1,SSP-2をそれぞれ7.5mg,6.9mg得た。また、BL21(pLys)宿主細胞を用いてSSPを発現誘導し、封入体として得られたSSPは、希釈法を用いたリフォールディングにより巻き戻しを行った(巻き戻し効率25%)。今後の相互作用解析に十分な量を得た。 2:アポトーシス誘導蛋白質(Hv1)の精製 ゲルろ過クロマト(sephacryl S-300HR)、陽イオン交換クロマト(SP-sepharose)、ゲルろ過クロマト(Superdex 75)の3段階クロマトを用いてハブ粗毒300mgから高純度のHv1は、約2mg得た。精製したHv1は、正常ヒト臍帯静脈内皮細胞に対して濃度依存的に細胞毒性を示すことが確認された(IC_<50>=0.3μg/ml)。今回精製したHv1は、今後のSSP結合実験やHv1の細胞毒性に対するSSPの影響を調べる実験に用いる。 3:SSP-2によるTriflinの相互作用領域の同定 SSP-2のアミノ基,Trp残基,His残基を化学修飾し、Triflinとの結合活性をTSKgel G3000SWカラムを用いるゲルろ過HLPCで評価した。その結果、アミノ基を修飾したSSP-2はTriflinと結合しなかった。また、SSP-2とTriflinと結合しないSSP群とのアミノ酸配列を比較すると、SSP-2のαアミノ基またはN端ドメイン領域が結合に関与する可能性がある。
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