2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20870039
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
塩見 大輔 National Institute of Genetics, 系統生物研究センター, 研究員 (70507532)
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Keywords | 大腸菌 / 形態形成 / 細胞骨格 / 蛍光タンパク質 / 細胞膜 / ペプチドグリカン / 細胞生物学 / 微生物 |
Research Abstract |
大腸菌の形態形成に必須の新規細胞骨格性因子RodZの機能解析を行った。平成20年度の研究計画にあるように、RodZの機能及び細胞内局在に必要な領域を特定した。すなわち、RodZタンパク質のN末端細胞質領域が細胞内でのらせん形成、細胞外(ペリプラズム)領域が菌の形態形成に必須の領域であった。また、アミノ酸配列からRodZは1回膜貫通型タンパク質であることが推測されていたが、細胞分画やPhoAタンパク質との融合タンパク質との作成により実際にRodZが1回膜貫通型タンパク質であることを示した。また、野生株が桿状であるのに対して、rodZ欠損株は丸くなる。このrodZ欠損球状変異株と他の球状変異株(mreBまたはpbp2機能欠損株)の大きさの比較を行ったところ、rodZ欠損株は他の球状変異株よりも小さかった。仮に、野生型大腸菌の桿状形態を決めるために、長軸・短軸を決める因子があるとして、小さな(短軸を直径とするような)球菌になるのは長軸方向の制御を失った時であり、大きな(長軸を直径とするような)球菌になるのは短軸方向の制御を失った時と考えられる。つまりRodZは長軸、MreB,PBP2は短軸の長さを決定する因子であると推測された。実際に、RodZタンパク質の発現を抑制すると、長軸の長さが短くなった後、最終的に球形になっていく様子が観察された。これは、RodZが長軸方向の長さを制御するというアイデアとよく一致する。以上の成果はすでに論文として発表した。(申請時には新規タンパク質KyuAと名付けたが、後に米国の別の2つのグループも独立に同じ遺伝子を同定したので、最終的に桿状(rod)を決める因子、と言う意味でrodZという遺伝子名になった。)
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Research Products
(4 results)