2008 Fiscal Year Annual Research Report
土壌RNAの直接抽出法開発および解析による微生物の土壌有機物分解過程の解明
Project/Area Number |
20880007
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
頼 泰樹 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 助教 (30503099)
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Keywords | 土壌 / RNA / 直接抽出 / 土壌有機物 / 分解過程 / 元素動態 / 金属イオン / トレーサー |
Research Abstract |
化学的に不安定なRNAはDNAよりはるかに分解されやすく、微生物が死滅すると速やかに土壌から消失するため、RNAの解析結果はDNAの解析結果よりも生きている微生物を正確に反映し、rRNA解析を行うことで土壌中の実際の活動微生物の群集構造解析が可能となる。また土壌の発現遺伝子の追跡をmRNAの解析で行えば、生物の存在、多様性の評価だけではなく、微生物群集が発揮している機能を評価することも可能になる。本年度はRNAの精製法を確立した。CTABによる腐植物質の除去を除タンパク操作時に用いることで腐植物質を減らすことができた。また、従来RNAはPEGでは沈殿せず、DNAの溶液からRNAを除くためにPEG沈殿が用いられてきた。このPEG溶液に高濃度の塩を共存させることでRNAをも沈殿回収することができ、またPEG溶液は水溶液であるためpHをコントロールすることで溶液にコンタミしてくる腐植物質を大幅に減らすことが可能となった。両社を組み合わせることで精製法を確立した。 RNAの抽出については強力なアロフェンのマスキング剤としてフッ化化合物、ケイ酸化合物を検討したが、塩の形態により、抽出液pHが大きな影響を受けてしまい、RNAがアルカリ性もしくは酸性条件になると分解してしまうため、抽出はできてもRNAの一部分解が見られるため、改良を続けている。また本研究は安定な土壌有機物の生成およびその存在形態として土壌の無機成分とくに金属イオンとの関係を最終的には解析したいと考えている。本年度は金属イオンの土壌中の移行を追跡できるトレーサーを用いたオートラジオグラフィーの実験も行った。
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Research Products
(3 results)