2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学技術が導く未来水素社会を創る水素高度生産菌株の作製
Project/Area Number |
20880022
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 憲成 Kyushu Institute of Technology, 大学院・生命体工学研究科, 助教 (00470592)
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Keywords | 水素 / バイオテクノロジー / 微生物 / 生体機能利用 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
本研究は、遺伝子工学技術(多重変異株作製技術、DNAマイクロアレイ技術や遺伝子改変技術など)を駆使して、大腸菌の水素生成経路および水素生産能を活性化させることによって、水素ガスを高度生産化できる菌株を構築することを研究目的とする。平成21年度における研究成果は次の通りである。 1. 水素生成能の向上化が期待できるdgsA、crp、dgsA、cya遺伝子変異株による水素生産性を試験したところ、cyaY、rpe、rmf遺伝子変異株において20~40%の水素生産性の向上が見られた。また、ptaA遺伝子発現株においても同様に試験したが、顕著な水素生産は向上しなかった。 2. 高度水素生産菌株に対して、ランダム変異を誘発し、水素センサ膜を活用して水素生成能が向上化する変異株を探索したところ、数種類の変異株の取得に成功した。現在解析中である。 3. 遺伝子改変技術により大腸菌の水素生成酵素複合体の一部であり、水素生成に必須なプロトン(H^+)と電子イオン(e^-)の発生に関与するFdhFのタンパク質改変を試みたが、今のところ有用な変異体は得られていない。 4. 変異型HycE(366番目のコドンがストップコドンに変異したもの)に対して、さらにQ32R、Y50N、M314Nのアミノ酸変化を導入したところ、水素生産性が10~20%改善された。 5. メタゲノムを活用して水素生産に有効な遺伝子を探索する研究を進めるに当たり、大腸菌の水素生成に関与するHydrogenase 3(hycA~hycI)までの遺伝子が欠失した変異株、Hydrogenase 1(hyaA~hyaF)までの遺伝子が欠失した変異株を作製した。
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Research Products
(7 results)