2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期の栄養管理が生活習慣病モデルラットの血管機能と酸化ストレスに及ぼす影響
Project/Area Number |
20880030
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
里井 恵子 Kinki University, 農学部, 助教 (70510874)
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Keywords | 栄養 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
生活習慣病の予防・改善研究には、単独の疾患に焦点を当てるのではなく、複数の動脈硬化危険因子の相互関係を視野に入れるべきである。さらに、高血圧などの危険因子が重複して引き起こされる「炎症としての動脈硬化」についての胎児期発症起源説に関する研究は、これまでにほとんど行われていない。そこで本研究では、胎児期・授乳期の栄養環境が高血圧症のみならず、高血圧が引き金となって誘発される血管機能不全、ひいては動脈硬化症に対してどのような影響を及ぼすのかを脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(stroke-prone spontaneously hypertensive rats: SHRSP)を用いて明らかにすることを目的とした。 平成20年度は、妊娠期の栄養状態(低タンパク質食)によってSHRSPの血管弛緩物質の作用機序に違いが生じるか否かを評価するため、胸部大動脈の血管収縮反応をマグヌス法により評価する装置を新たに研究室に導入し、データ収集のための条件設定を行った。さらに、胸部大動脈における内皮型一酸化窒素合成酵素(NOS)の産生量、NADPHオキシダーゼ活性についてたんぱく質レベルでの検出の条件設定を行った。現在、F0世代のラットを飼育中であり、次年度にも継続してSHRSPを飼育妊娠期における栄養状態が、世代を超えてF1ラットの高血圧・脳卒中発症時における血管機能と酸化ストレスに影響を及ぼすか否かを検討していく予定である。
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