2008 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル画像解析技術を用いた果実の色・成分の高精度評価法の開発
Project/Area Number |
20880035
|
Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
吉岡 洋輔 National Agricultural Research Organization, 野菜育種研究チーム, 研究員 (50462528)
|
Keywords | Color signature / メロン / CIE-Lab / 多次元尺度構成法 / 輸送問題 / 果肉色 |
Research Abstract |
汎用性の高い果実色の新しい評価法・解析モデルを提示することを目的に、本年度は多様な変異を持つメロンの果実色をモデルとしてColor signatureに基づく評価法の有効性を検証した。(1)デジタルスキャナを用いたメロン果実断面画像の取得方法を構築した。(2)デジタル画像からのRGB情報の抽出、色空間の変更(RGBからCIE-Labへの変換)、Color signatureの作成(Median cut algorithmに基づく代表色の決定と最近隣探索法による各画素の代表色への割り当て)までの一連の画像情報処理のためのプログラムを、コンピュータ言語Javaを用いて新たに作成した。(3)Color signatureの解析・評価(Earth Mover's Distance(輸送問題)及び多次元尺度構成法)のためのプログラムをC言語及び統計言語Rを用いて作成した。(4)果実色が大きく異なる複数のメロン品種に対して本評価法を適用し、従来の評価法(CIE-Labの各要素の平均値など)と比較することでその有効性を検証した。Color signatureに基づく新しい評価法は、従来の評価法に比べて目視による色の評価との相関が高く、品種効果の検出能力が優れていることが明らかになった。このことから、Color signatureに基づく新しい果実色の評価法は色の分布位置の情報が無視される欠点はあるが、果実に含まれる色の情報を効率よく抽出・評価することが可能であり、今後、果実色に関する試験研究や育種において有効な評価法になると考えられる。
|