2009 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル画像解析技術を用いた果実の色・成分の高精度評価法の開発
Project/Area Number |
20880035
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
吉岡 洋輔 National Agricultural Research Organization, 野菜茶業研究所・野菜育種研究チーム, 研究員 (50462528)
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Keywords | Color signature / メロン / イチゴ / 画像解析 / 定量的評価 / 画像データベース / 紫外線 / 蛍光物質 |
Research Abstract |
汎用性の高い果実の色・成分の新しい評価法を提示することを目的に、本年度はイチゴをモデルとして、Color signatureに基づく新しい果実色評価の有効性を検証するとともに、紫外線励起蛍光撮影などを含む様々な画像解析法による果実成分の簡易評価法の有効性を検証した。(1)前年度までに構築したColor signatureに基づく評価法は同系色の連続的な変異のあるイチゴの果実色の評価に有効であることを示すとともに、画像特徴量とイチゴの主要な色素成分であるアントシアニンとの関連性を明らかにした。(2)新たに構築したデジタルカメラを用いた紫外線撮影装置および紫外線励起蛍光撮影装置を用いた画像解析により、イチゴの果肉に360nm付近にピークをもつ紫外光源と450nm付近での透過率が50%であるロングパスフィルターを用いた紫外線励起蛍光撮影により、イチゴ果肉中に含まれる品種特異的な蛍光物質を検出できることを明らかにした。前年度および本年度の結果から、Color signatureに基づく果実色の新しい評価法は従来の目視による評価と比較し、より客観的で精度の高い評価が可能であり、育種における系統の評価・選抜に有効であるとともに、Color signatureを用いた画像データベースは新しい育種素材(遺伝資源)管理システムの構築に有効であると考えられた。また、本研究課題で用いたデジタルカメラによる撮影(紫外線励起蛍光撮影などを含む)から画像情報の数値計算までの一連の画像解析法により、果実に含まれる色素成分や品種特異的な蛍光物質の評価・検出が可能であったことから、今後、本手法は果実成分の簡易評価法として、果実成分の試験研究や育種において活用できると考えられる。
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