2008 Fiscal Year Annual Research Report
包括的分類体系の構築と生活史特性に基づいた施設害虫タマバエ類の新規防除技術の確立
Project/Area Number |
20880043
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
徳田 誠 The Institute of Physical and Chemical Research, 生長制御研究チーム, 基礎科学特別研究員 (60469848)
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Keywords | ゴール / 害虫 / 施設栽培花卉 / 分子系統解析 / 寄主範囲 / バラハオレタマバエ / ランツボミタマバエ / 分子同定システム |
Research Abstract |
施設栽培花卉をはじめとする農作物を加害する害虫タマバエ類やその近縁種を対象として、包括的分類システムを構築するための形態比較やDNA解析を行った。 施設栽培バラに葉折れ状のゴールを形成するバラハオレタマバエに関しては、東北地方から九州各地で発生したサンプルを解析し、ほぼすべての地点で発生しているタマバエがContarinia属の一種であることを確認した。一方、西日本の1県では、Dasineura属タマバエによる施設栽培バラの被害が確認された。土着のバラ属植物であるノイバラとハマナスを寄主とするDasineura属のノイバラハオレタマバエやハマナスハオレタマバエ、および、ヨーロッパで施設栽培バラを加害する害虫Dasineura rosaeとこのタマバエの分子系統解析を行った結果、本種はノイバラハオレタマバエであることが判明した。本成果は、2月に開催された九州病害虫研究発表会において口頭発表した。間もなく論文として取りまとめる予定である。 また、ランツボミタマバエContarinia maculipennisについては、沖縄県で様々な植物の蕾を加害するContarinia属タマバエや、近畿地方のラン栽培施設で発生したContarinia属タマバエなどを対象として分子系統解析を行い、沖縄県における加害寄主範囲や九州以北における発生の実態を調査した。これらの成果は、次年度以降に順次発表する予定である。
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