2008 Fiscal Year Annual Research Report
体外衝撃波による心臓血管新生作用の分子機序の解明及び慢性心不全治療への応用
Project/Area Number |
20890016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 誠 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (30513551)
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Keywords | 体外衝撃波治療法 / 血管新生 / 慢性心不全 / 血管内皮前駆細胞 |
Research Abstract |
培養細胞(血管内皮細胞、心筋細胞)及び実験動物(ラット)を用いて、体外衝撃波照射の治療効果を検討する予備実験を開始した。 in vitro実験として、正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を培養し、我々の準備した小型衝撃波発生装置を用いて照射を行った。当初は照射後に血管内皮増殖因子(VEGF)のメッセンジャーRNA発現が誘導され、実験系の信頼性が確認できたが、回数を重ねるうちにVEGF発現量に実験毎のばらつきが大きいことが分かり、原因としては衝撃波照射時の焦点深度が一定でないため、確実に細胞に一定のエネルギーの衝撃波が照射されていない可能性が大きいと思われた。対策として、一層の培養細胞に確実に衝撃波を照射可能とする、特殊な培養チャンバーを本学工学部と共同開発中であり、今後実験系に用いる予定である。 in vivo実験として、正常ラットの心臓に対し、体外衝撃波を照射後二日目に心臓を摘出し、VEGFの蛋白発現量を検討した。ウェスタンブロット解析でVEGFの蛋白発現上昇が認められ、確実に体外衝撃波が心筋に照射されていることを確認できた。今後慢性心不全の疾患モデルラットを作成し、衝撃波照射の治療効果を確認する予定である。疾患モデルラットとしては、ダール食塩感受性高血圧ラットを使用した、高血圧性心肥大による心不全モデル及び、外科的大動脈縮窄モデルによる圧負荷心肥大による心不全モデルを作成中である。 また、体外衝撃波照射が骨髄由来血管内皮前駆細胞を心筋内に動員し、血管新生を促進し、心機能を改善させるという仮説を検証する予定である。現在骨髄置換実験を反復施行し、技術を習得中である。
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Research Products
(5 results)