Research Abstract |
本研究は,義歯床下圧力動態をヒトにおいて生体内測定するとともに,義歯床下骨組織の骨代謝動態を分子イメージング的方法;NaF/PET画像解析により定量評価することで,その両者の関連を検索し,義歯床下における力と顎堤骨組織の反応の詳細を明らかにすることを目的として行い,以下の結果および成果を得た. (1)PETの撮像条件:通常の全身PET撮像はNaF5.0mCiを用い20~30分の撮像時間を要するが,顎骨部のみで撮像時間を20分にまで延長することにより,NaF1.0mCiの投与で,鮮明な画像を得た.この方法により1回の撮像における被ばく量を抑え,同一被験者において経時的に複数回撮像することが可能となった. (2)骨代謝の経時的測定:下顎にKennedy I級の遊離端欠損を有し,同部に義歯の使用経験がない被験者に,片側性遊離端義歯を適用し,義歯装着0日,1週間,6週間後に顎骨部のPET/CT撮像を行った.その結果,6週間の実験期間を通して,CT値の変化はみられなかったが,SUVは,0日(3.5),1週間後(4.2),6週間後(5.3)と,義歯装着後経時的に上昇した.これらのことから,義歯装着により,義歯床下骨組織の骨代謝回転が亢進し,リモデリングが積極的に進むことが示唆された. (3)骨代謝活性と床下圧力の相関関係:PET/CT撮像時に,義歯床下圧力測定部位をマークしたステントを装着することにより,PET/CT画像と義歯床下圧力分布を照合させる手法を確立した.
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