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2009 Fiscal Year Annual Research Report

蛍光偏光解消法を用いた消化管病変の診断技術の開発

Research Project

Project/Area Number 20890029
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

金子 剛  University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (90510181)

Keywords蛍光偏光解消法 / 細胞膜流動性 / 消化器内視鏡 / 光学的生検
Research Abstract

【目的】細胞膜流動性の相違を画像化することによって、癌部と非癌部を鑑別しうる光学システムを構築し、細胞膜流動性の相違を診断根拠とした全く新しいコンセプトに基づいた内視鏡診断方法を目指すことである。【方法】内視鏡へ応用可能な蛍光偏光解消法(FP)という手法を搭載した蛍光顕微鏡装置を構築し、(1)培養細胞系・(2)実験発癌動物モデル(3)ヒト胃癌検体において、細胞膜流動性の観点(FP値)から癌部と非癌部を判別できるか否かをin vitro及びex vivoにて検討した。【結果】(1)正常細胞(RGM)と癌細胞細胞(RGK)のFP値を比較すると1.0±0.16v.s.0.73±0.18,p<0.01であり、FPは両細胞を細胞膜流動性の違いとして検出可能であった。(2)実験発癌動物モデルにおける正常部と腺腫部(aberrant crypt)のFP値は、各々1.0±0.45v.s.2.57±0.69,p<0.01,(N=6)であった。FPは組織においても培養細胞系の結果と同様に、腺腫部・非腺腫部を検出可能であった。(3)ヒト胃癌部におけるFP値は、非癌部のそれと比較し、1.0±0.12v.s.0.50±0.08,p<0.005,(N=20)と低下しており、癌部において膜流動性が亢進していることが示唆された。これらの結果は脂質二重層という細胞膜の物理的性質(流動性)が癌と正常細胞において相違があることを示唆する。【考察】今回検討した蛍光偏光解消法は細胞膜流動性をFP値として表すことが可能であり、病変を数値によって評価可能である。これは癌の領域診断が困難な症例において、同法によって客観的数値診断が可能であることを意味しており、その臨床上のメリットは大きい。また生体にとって危険な領域の励起光を用いず、低毒性の蛍光色素を用いるという非侵襲性に加えて、細胞膜の流動注変化という病態生理を反映した現象を捕捉することが可能であるため、カプセル内視鏡といった新世代内視鏡における光学的生検方法として有効性を示す。

  • Research Products

    (5 results)

All 2009

All Journal Article (3 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 【色素内視鏡を見直す 画像強調観察法との比較】ALAを用いた胃癌の光線力学的診断2009

    • Author(s)
      松井裕史、金子剛
    • Journal Title

      臨床消化器内科 24巻

      Pages: 1379-1386

  • [Journal Article] 【消化管症候群(第2版)その他の消化管疾患を含めて】食道 食道dysplasia2009

    • Author(s)
      中原朗、松井裕史、鈴木英雄、金子剛
    • Journal Title

      日本臨床 別冊

      Pages: 41-44

  • [Journal Article] 【消化管症候群(第2版)その他の消化管疾患を含めて】食道 食道腫瘍2009

    • Author(s)
      中原朗、松井裕史、鈴木英雄、金子剛
    • Journal Title

      日本臨床 別冊

      Pages: 93-97

  • [Presentation] The fluorescence assessment of cellular membrane fluidity in human gastric cancer specimens.2009

    • Author(s)
      Kaneko T
    • Organizer
      米国消化器病学会(第40回・DDW2009)
    • Place of Presentation
      McCormick Place(Chicago・USA)
    • Year and Date
      2009-06-03
  • [Presentation] 「がん細胞の膜は柔らかい」-蛍光偏光解消法による光生物学的膜流動性の捕捉2009

    • Author(s)
      金子剛
    • Organizer
      第27回サイトプロテクション研究会
    • Place of Presentation
      ホテルグランヴィア(京都)
    • Year and Date
      2009-03-27

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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