2009 Fiscal Year Annual Research Report
急速進行性糸球体腎炎におけるDNAM-1(CD226)の役割
Project/Area Number |
20890030
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
甲斐 平康 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60510138)
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Keywords | DNAM-1(CD226) / 急速進行性糸球体腎炎 / 半月体形成糸球体腎炎 / DNAM-1遺伝子欠損マウス / anti-GBM型糸球体腎炎 |
Research Abstract |
我々は、これまでの研究にてDNAM-1(CD226)が腫瘍細胞に対する細胞障害活性を有するのみならず(Kai et al, J Exp Med, 2008)、CD4T細胞の分化・増殖やマクロファージなどの炎症細胞の遊走に関与している接着分子であることを報告してきた。今回、急速進行性糸球体腎炎(半月体形成糸球体腎炎)の形成にDNAM-1が関与している可能性を推察し、検討を行うため、我々が作成したDNAM-1遺伝子欠損マウスを用いて研究を行った。まず、半月体形成糸球体腎炎の系の確立であるが、マウスをpolyclonalなrabbit抗体にて免疫1週間後、rabbit-anti GBM抗体(Ueda et al, Kidney Int, 2003)をマウスに免疫し、マウスにおける半月体形成糸球体腎炎を惹起した。免疫1~2週間後には尿蛋白は+/-から2+程度に増加しており、腎炎が速やかに惹起していると考えられた。 次に、野生型マウスあるいはDNAM-1遺伝子欠損マウスを用いて半月体形成糸球体腎炎を惹起したところ、野生型マウスにおいてはDNAM-1遺伝子欠損マウスに比べて腎炎惹起の程度が強く認められた。病理組織像においても、半月体形成の出現率は野生型マウスにおいてはDNAM-1遺伝子欠損マウスに比べて高率に認められた。これらの所見からDNAM-1は半月体形成糸球体腎炎の発症機序に関与していることが推察された。腎炎発症にかかわるDNAM-1の関与に関する詳細なメカニズムに関しては、現在さらに検討中である。本研究により、半月体形成糸球体腎炎へのDNAM-1の関与が明らかとなり、その病態をより明らかにすることや、ひいては将来的な治療に結びつくことが期待される。
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