2008 Fiscal Year Annual Research Report
移植片対宿主病におけるNotchシグナルが担う免疫調節機構の解明
Project/Area Number |
20890031
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
錦井 秀和 University of Tsukuba, 附属病院, レジデント (30512834)
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Keywords | 造血幹細胞移植 / 移植片対宿主病 / Notchシグナル |
Research Abstract |
本研究は、同種造血幹細胞移植時の移植片対宿主病(GVHD)と移植片対腫瘍効果(GVL)における免疫調節機構の分子メカニズムにせまる目的で、T細胞の分化及び機能制御に必須の役割を担っていると考えられているNotchシグナル.に焦点を当てて研究が行われている。 同種造血幹細胞移植は現在確立している唯一の幹細胞療法であり、また造血器腫瘍に対する最も強力な治療法であるが、同種免疫反応による移植片宿主病が重症化すると致死的な経過を辿ってしまう事が避けられない。一方でこの反応が同種免疫による抗腫瘍効果すなわち移植片対腫瘍効果を示すことも明らかとなっており、これらの免疫調節機構を明らかとし移植時の同種免疫反応において移植片対宿主病を最小限に抑えつつ抗腫瘍化効果を保っ方法論の必要性が高まっている。平成20年度は高感度フローサイトメーター(Aria,BD社)を用いたヒト末梢血検体のマルチカラー解析による造血幹細胞移植後のNotch分子の発現様式の詳細な解析の準備毅階として、健常者検体を用いたヒト穎粒球及び赤血球の解析を行った。この実験系は造血幹細胞移植後早期の造血回復が十分でない時期の少数の細胞を用いて解析を行う必要があるため、信頼性の高いデーターを得るためには事前に細胞調整の最適化・高感度フローサイトメーターの詳細なセッティングを行う必要がある。より詳細な解析を行うためのマルチカラー解析系を(7カラー前後の蛍光色素標識抗体を用いた解析を予定している)、導入するために研究代表者の前所属先である東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センターとの共同研究も計画中である。平成21年度はマウスを用いた基礎実験による病態解析も予定している。
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