2009 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの虐待が脳発達に及ぼす影響についての形態学的、エピジェネティックな検討
Project/Area Number |
20890033
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐野 利恵 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (70455955)
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Keywords | 子どもの虐待 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
本年度は子どもの虐待死亡事件解剖例はなかったため、症例数を増やすことはできなかった。ところで、遺伝子は加齢に伴いDNAメチル化を受けることが明らかとなってきた。そのため、虐待死亡例のDNAメチル化が異常なDNAメチル化の増加であるか否かを判断するために、発育や加齢に伴うDNAメチル化の程度を調べる必要性が生じてきた。収集された試料は0歳から100歳の脳組織であり、解剖時に摘出した脳をホルマリン固定後、前頭葉上前頭回、扁桃体、海馬、小脳からパラフィン包埋切片を作製した。本研究を実行するための準備として、各組織切片からDNAを抽出し、Bisulfite処理を行い、PP1遺伝子やREELIN遺伝子の上流域に対する塩基配列特異的なプライマーを用いてPCRを行い増幅産物を得た。PP1遺伝子やREELIN遺伝子の上流域のメチル化を評価するのに最も適した方法を確立するため、Bisulfite genomic sequencing法、COBRA法、メチル化特異的PCR法、メチル化感受性PCR法、Pyrosequencing法を行い、比較検討したところ、Pyrosequencing法が最も簡便であることが判った。その方法でプロトコールを作成し、対象とする遺伝子数を増やしてゆき、加齢に伴うDNAメチル化の程度を調査することが可能となった。
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