2009 Fiscal Year Annual Research Report
官能基化された炭素環構築法の開発とレジニフェラトキシンの全合成研究
Project/Area Number |
20890043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
占部 大介 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (80503515)
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Keywords | 炭素環構築 / 天然物合成 / Diels-Alder反応 / ラジカル / テルペン |
Research Abstract |
本研究ではO,S-、またはO,Se-アセタールから得られる炭素ラジカルによる炭素環構築法の開発と、レジニフェラトキシンをはじめとする複雑な天然有機化合物の全合成を目的とした。平成20年度に炭素環構築法を開発できたので,平成21年度は主に以下に示す天然有機化合物の全合成研究を遂行した。 レジニフェラトキシンの合成研究 ダフナンジテルペンであるレジニフェラトキシンの合成研究を行った。キノン保護体とラワールジエンとのDiels-Alder反応によって得られたcis-デカリンの立体選択的な官能基化により、C8,11,13位の立体化学を有した中間体を短工程で合成した。 リアノジンの合成研究 細胞内カルシウムチャネルのリガンドであるリアノジンの全合成研究を行った。既に合成に成功しているC_2対称な化合物を脱対称化した中間体に対して、立体障害により著しく反応性が低下しているC11位に橋頭位ラジカルを発生させる事によって炭素-炭素結合形成を実現した。得られた化合物から8工程を経てリアノジンの縮環部分を全て有した中間体の合成に成功した。 ハイポニンBの合成研究 抗HIV活性を有するアガロフランセスキテルペンであるハイポニンBの収束的合成研究を遂行した。エキソオレフィンを有するラクトンとヒドロキシピロンとのDiels-Alder反応が触媒量のキニジン存在下、高立体選択的にexo付加体を与える事を見出した(dr=30:1)。その後、付加体から9工程を経て、ハイポニンBのデカリン構造の前駆体となりうる中間体を導くことに成功した。
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Research Products
(14 results)