2008 Fiscal Year Annual Research Report
リン脂質のリモデリング経路により作られる脂肪酸非対称性の生理的意義の解析
Project/Area Number |
20890047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳岡 涼美 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (60511376)
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Keywords | 脂質 / 酵素 / リン脂質 / 細胞膜 / 脂肪酸非対称性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、リン脂質のリモデリング経路により作られる脂肪酸非対称性の生理的・生物学的意義の解析を行う事である。特にリン脂質アシル転移酵素を中心に解析をすすめている。当初計画していたC. elegansのみを用いた研究でなくマウスの初代培養神経細胞も用いてリン脂肪酸非対称性について発展性のある研究を進めている。 1)C. elegans変異体株を用いた変異体の表現型の解析 人手が可能となった1種の変異体線虫を用いて、その表現型の解析を行った。A,成長速度、B,成虫から産まれる次世代の匹数、C,温度変化や酸化ストレスによる成育の影響、D,運動神経からのアセチルコリンの放出の増減、E,アセチルコリン受容体アゴニストに対する筋収縮の反応性、について解析したが、この変異体に関しては上記の解析で顕著な異常を認める事はなかった。今後はほかの2種の変異体も人手して,さらに詳しい解析を進める予定である。 2)欠損変異体の膜脂質を質量分析計で分析する事によるin vivoの酵素特性を解析 現在、質量分析計でリン脂質解析するための予備実験が終了し、サンプル調製も完了している。共通機器であるマススペクトロメトリーの空くのを持って解析をはじめるところである。 3)発現細胞の同定 現在2種の遺伝子の上流配列にレポータとしてGFP蛍光タンパク質の配列をつないだプラスミドの作成が完了した。インジェクションでC. elegansにとりこませ、内在性プロモータによるGFP発現パターンを蛍光観察する事で、目的遺伝子の発現細胞を固定する予定である。 4)マウス神経細胞を用いたリン脂質脂肪酸の解析 線虫では神経細胞だけをとってリン脂質脂肪酸解析を行う事は出来ないため、マウス初代培養神経系を用いたリン脂質脂肪酸の測定系を確立した。今度RNAiなどを行い神経特異的な脂肪酸組成変化とその影響を解析する準備を進めている。
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