2009 Fiscal Year Annual Research Report
リン脂質のリモデリング経路により作られる脂肪酸非対称性の生理的意義の解析
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20890047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳岡 涼美 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (60511376)
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Keywords | 脂質 / 酵素 / リン脂質 / 細胞膜 / 脂肪酸非対称性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、リン脂質のリモデリング経路により作られる脂肪酸非対称性の生理的・生物学的意義の解析を行う事である。特にリン脂質アシル転移酵素を中心に解析をすすめている。当初計画していたC.elegansのみを用いた研究でなくマウスの初代培養神経細胞も用いてリン脂肪酸非対称性について発展性のある研究を進めた。 1.C.elegans変異体株を用いた変異体の表現型の解析 入手が可能となった1種の変異体線虫を用いて、その表現型の解析を行った。成長速度、成虫から産まれる次世代の匹数、温度変化や酸化ストレスによる成育の影響、神経や筋肉の機能、について解析したが、この変異体に関しては顕著な異常を認める事はなかった。 このように、変異体線虫での明らかなフェノタイプが見つからない事、さらに最近国内の他の研究グループらによって関連した変異体の解析が進められている事、などをふまえ、C.elegansを用いた個体全体を用いて解析する系から、ホ乳動物の細胞培養系を用いて細胞特異的な脂質変動による細胞機能の変化を見る系もあわせて解析を進めた。特に不飽和度の高いリン脂質組成を持つ神経細胞に着目して解析を続けた。 2.マウス神経細胞を用いたリン脂質脂肪酸の解析 マウス初代培養神経系を用いたリン脂質脂肪酸の測定系を確立した。またマウス海馬神経初代培養系にRNAiで特定遺伝子をノックダウンする方法を確立した。培養系に、多価不飽和脂肪酸を数口間作用させる事により、脂肪酸取り込みが起こりリン脂質組成は成体脳にかなり近づける事が出来た。この脂肪酸取り込みに影響を与える遺伝子をRNAiノックダウン法を用いて解析中である。 このように特定の組織・細胞のユニークなリン脂質組成を作り出す遺伝子が明らかにされる事により、そのリン脂質組成が変化させる細胞機能の解析を進める手段として今後の研究に利用できると考えている。
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