2009 Fiscal Year Annual Research Report
炎症時使用薬物の血液脳関門PGE2排出阻害による中枢神経副作用発生機構解明
Project/Area Number |
20890079
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
赤沼 伸乙 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (30467089)
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Keywords | プロスタグランジンE2 / 血液脳関門 / 非ステロイド性抗炎症薬 / 抗生物質 / MRP4 / Brain efflux index法 / 有機アニオン輸送担体 / セフェム糸抗生物質 |
Research Abstract |
前年度までの研究から一部のcephalosporin系抗生物質の静脈内投与によって、脳から血液脳関門(BBB)を介したPGE_2排出が阻害されることを明らかにした。これらの薬物がMRP4を介したPGE_2輸送を阻害するか、MRP4発現膜小胞を用いた取り込み実験によって解析した。その結果、静脈内投与によってBBBを介したPGE_2排出を阻害したcefmetazoleはMRP4発現膜小胞への[^3H]PGE_2取り込みを阻害し、そのIC_<50>値として10μMが得られた。そのIC_<50>値付近である20μM条件下、同様に静脈内投与によってBBBを介したPGE_2排出を阻害したcefazolinはMRP4発現膜小胞への[^3H]PGE_2取り込みを約40%阻害し、さらに同じくセフェム系抗生物質であるcefotaxime、ceftriaxone等、さらにindometacin、ketoprofenなどの非ステロイド性抗炎症薬もまた50%以上MRP4を介したPGE_2輸送を阻害した。MRP4を介したPGE_2輸送を強く阻害する化合物が実際にin vivoマウスBBBを介したPGE_2排出を阻害することを、大脳皮質pre投与条件下のmouse brain efflux index法によって解析した。その結果、cefmetazole、cefazolin、cefotaxime、ceftriaxone、indomethacin及びketoprofenの大脳皮質pre投与によってマウス脳からBBBを介した[^3H]PGE_2排出は阻害されることを明らかにした。以上の結果から、MRP4を強く阻害する抗生物質及び抗炎症薬は脳からBBBを介したPGE_2排出を阻害する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)