2008 Fiscal Year Annual Research Report
B-1細胞の恒常性の維持と免疫疾患におけるIL-5の役割
Project/Area Number |
20890080
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
生谷 尚士 University of Toyama, 医学薬学研究部(医学), 助教 (40513718)
|
Keywords | 免疫学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究の目的はB-1細胞の恒常性の維持に必須であるIL-5の作用機序を解明し、B-1細胞が関与する免疫疾患の予防や治療法開発の基盤を得ることである。初年度の研究計画である未だ不明なIL-5産生細胞の同定のため、IL-5の発現をGFPに置換したIL-5/GFPノックインマウスの解析を開始した。当該マウスの各免疫組織をフローサイトメーターで観察した結果、腹腔とリンパ節にGFP陽性細胞を確認した。腹腔においてはCD3ε陽性CD4陽性のヘルパーT細胞がその大部分を担っていた。少数ではあるがT細胞以外でもGFP陽性細胞の存在が確認されたが、その同定には至っていない。野生型マウスにおいても特定の腹腔内ヘルパーT細胞からのIL-5産生を確認した。腹腔内IL-5産生細胞は直接的にB-1細胞を制御している可能性が高く、その制御機構が明らかになればB-1細胞の恒常性の維持、活性化機構が明らかになると考えられる。自己免疫疾患などではB-1細胞の増多がみられるが、その原因の一端にIL-5の過剰産生が疑われるためIL-5産生細胞の動態は重要検討課題である。またリンパ節ではNK細胞にGFPの発現が認められた。リンパ節におけるIL-5の役割は定かではない。しかしながら気管支喘息等のアレルギー疾患では従属リンパ節を起点とする免疫応答が行われ、病態に深く関与する好酸球が局所に浸潤する。この好酸球の遊走や浸潤、脱顆粒の過程にIL-5が関わっている可能性が大いに考えられ、アレルギー反応誘導時のIL-5産生NK細胞の動態はアレルギー応答機構の解明に極めて重要な研究課題である。
|