2009 Fiscal Year Annual Research Report
簡便なアフィニティーラベル化法の確立とフラボノイド標的タンパク質同定への展開
Project/Area Number |
20890081
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
盛崎 大貴 Kanazawa University, 薬学系, 助教 (30462740)
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Keywords | ケミカルバイオロジー / アフィニティーラベル |
Research Abstract |
本研究の目的は2-chloro-4,6-dimethoxy-1,3,5-triazine(CDMT)を用いた新規アフィニティーラベル法を確立し、フラボノイドの一種でアポトーシス抑制作用を有するオウゴニンの標的タンパク質を同定することである。 具体的には以下のことを行う予定であった。 1.オウゴニン及び、関連フラボノイドをリガンドとするプローブの合成設計 2.化学的アフィニティーラベル化法による標的タンパク質同定法の確立 3.合成したプローブによるアポトーシス抑制シグナルの解析 4.結合部位の特定とそれに基づくタンパク質-リガンド相互作用の分子レベルでの解明 上記の計画に従いまずはオウゴニンの構造にジメチルアミノ基を導入したプローブの設計、合成を試みた。プローブのデザインとしてはオウゴニンのフェニル基の4位よりリンカーを伸ばしここにジメチルアミノ基を導入することとした。オウゴニンの全合成はすでに報告されているのでその経路に基づき合成を試みた。当初はあらかじめフェニル基の4位にヒドロキシエトキシ基などを導入した基質を用いてオウゴニンの合成を試みたが途中の脱メチル化反応などに問題が生じ目的のオウゴニンプローブを得ることができなかった。そこでフェニル基の4位にブロモ基を導入したオウゴニンを合成しその後カップリングでジメチルアミノ基を導入することとした。この方法はリンカーに種々のバリエーションを持つオウゴニンプローブを簡単に合成できるので先の方法より優れている。そしてこの方法でオウゴニンの合成を試みたがやはり目的のプローブは得られなかった。報告されているルートとは別のルートも試みたが残念ながら目的物を合成することはできなかった。今後はより合成しやすいプローブの設計を行う必要があると思われる。
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