2008 Fiscal Year Annual Research Report
高校生の喫煙行動へのポピュレーションアプローチおよびリスク別アプローチの効果検討
Project/Area Number |
20890094
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大塚 敏子 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 講師 (80515768)
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Keywords | 喫煙 / 高校生 / 将来喫煙のリスク |
Research Abstract |
本研究は高校生に対し喫煙に関するポピュレーションアプローチとリスク別アプローチを包括的に行う効果的なプログラムを開発し、その結果を検証することである。 平成20年度は、介入高校への事前調査の結果から生徒の将来喫煙のリスクによる特徴の分析を行いそれぞれのリスク群への効果的なアプローチ方法について検討した。対象者は近畿3府県の4高等学校1年生747名(男子311名、女子436名)である。質問項目は、性別、喫煙行動、将来の喫煙意思、喫煙の勧めを断る自信、喫煙に関する知識、喫煙に対する認識、主観的規範意識、自尊感情、周囲の喫煙状況および禁煙勧奨意欲である。将来喫煙のリスク状況を把握には喫煙行動と将来の喫煙意思を用い対象者を3群に分類した。この3群による各項目の得点の群間による差の検定を行った結果、各質問項目の平均値は、ほとんどの項目でリスクが高い群ほど、喫煙を断る自信がない、喫煙に対する美化や効用を信じる気持ちが強い、主観的規範意識が低い、周囲に禁煙をすすめる意欲が低いというように好ましくない状況を示した。さらに自尊感情以外の項目で低リスク群と高リスク群、低リスク群と中リスク群の間に有意な差がみられた一方、喫煙に関する知識、喫煙に対する認識、禁煙勧奨意欲の項目で中リスク群と高リスク群に有意な差がなかった。また、自尊感情以外のすべての項目で女子に比べて男子の方が好ましくないという傾向だった。以上の結果により、喫煙行動の中リスク群は非喫煙者ではあるが、既に喫煙を開始している高リスク群に近い傾向を持っていることが示唆された。高等学校で行われる集団的な喫煙防止教育ではこれら中リスク群の特徴を考慮した教育内容の強化が必要であることが明らかとなった。
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