2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20890097
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南 陽介 Nagoya University, 医学部附属病院, 医員 (60513752)
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Keywords | 白血病 / 幹細胞 / キナーゼ阻害剤 / BCR-ABL / mTORシグナル |
Research Abstract |
白血病幹細胞(leukemia stem cells; LSCs)が、正常細胞に類似した分化過程を経て多彩な腫瘍組織を生み出すこと、従来の治療法に対して耐性であることが示されつつある。BCR-ABL陽性(Ph^+)白血病に対して、ABLキナーゼ阻害剤イマチニブが優れた効果を示しているが、治癒の為にはLSCsを適切に同定し、それらを標的とした治療が必要であると考えられている。 イマチニブ治療中の慢性期慢性骨髄性白血病(CML)患者の骨髄幹・前駆細胞分画をFACSAriaによって分離し、定量PCR法を用いて、幹細胞分画における腫瘍細胞の相対的な残存傾向を明らかにした。第2世代ABLキナーゼ阻害剤(ダサチニブ・ニロチニブ)治療症例についても解析を開始し、幹細胞分画に対してより優れた抗腫瘍効果が認められることを見出しつつある。LSCsの新規バイオマーカー候補として、Side PopulationやABCトランスポーターについて検討し、従来のCD34+CD38-に相関しない発現分布を示すことを明らかにした。 免疫不全マウス(NOG・NODマウス)に移植・継代するヒト造血系を反映した白血病幹細胞モデルの確立に取り組み、Ph^+マウス白血病誘導細胞の分布は、急性骨髄性白血病で示されたような分化階層性を成していないことを明らかにした。マウス白血病細胞のストローマ共培養ex vivo解析系を開発し、イマチニブ投与後の静止期細胞分画の残存、mTOR阻害剤・プロテアソーム阻害剤による耐性克服の可能性について見出した。
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Research Products
(8 results)