2009 Fiscal Year Annual Research Report
母娘2世代の母子健康手帳比較による妊娠出産経過と生活習慣病
Project/Area Number |
20890102
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田辺 圭子 Nagoya University, 医学部, 准教授 (40508959)
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Keywords | 母子健康手帳 / 母娘2世代 / 妊娠期の血圧 / 妊娠出産経過 / 出生体重 / 非妊娠時BMI |
Research Abstract |
【背景・目的】近年,胎児期の低栄養が生活習慣病発症のリスクとなるという成人病胎児期起源説が注目されている.本研究では,女性の出生時の体重が,成人後の妊娠分娩経過,特に血圧と次世代の出生体重にどのような影響を与えるかを調べた. 【方法】本年度は,母子健康手帳のコピー794冊分(397組)を用いて母親を出生体重別に2500g未満,2500g以上3000g未満,3000g以上3500g未満,3500g以上の4群に加え,非妊娠時BMI別に18.5未満のやせ群,18.5以上25未満のふつう群,25以上の肥満群の3群に分け,妊娠分娩経過をそれぞれの群間で比較した.さらに,妊娠期の血圧と出生した児(次世代)の出生体重に母親の出生体重と非妊娠時のBMIがどのような影響を与えているのか,二元配置分散分析を行った. 【成績】妊娠各期の血圧において有意差が認められたのは,妊娠後期平均収縮期血圧のみであった.しかし,2500g以上3000g未満群は妊娠各期の血圧は他の群に比べ高い傾向を示した.そこで,2500g群を除いた3群間で比較した結果,いずれも2500g以上3000g未満群の収縮期血圧が有意に高かった.傾向性の検定において,母親の出生体重と妊娠期の血圧には負の関連がみられた.BMI別では,BMI18.5未満群は57名,18.5以上25未満群は269名,25以上群は29名であった.いずれもBMI25以上群で妊娠各期の血圧が高く,正の傾向性がみられた.母親の出生体重と非妊娠時のBMIには交互作用はなく,妊娠期の血圧には非妊娠時BMIが,次世代の出生体重には母親の出生体重が影響していた. 【結論】女性の出生体重の把握は,周産期における母児の健康維持増進につながることが期待される.
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Research Products
(3 results)