2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20890123
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関根 伸一 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 助教 (70506344)
|
Keywords | 高齢者 / 歯周病 / 粘膜ワクチン / Porphyromonas gingivalis / 樹状細胞 |
Research Abstract |
本年度は高齢者に有効な歯周病ワクチンを開発するにあたって、加齢が生体に及ぼす影響を調べた。マウス動物モデルを用いたところ、非特異的な抗体産生は老化マウス群(>1y)が若年成体マウス群(6w-8w)と比較して多かった。一方、抗原特異的抗体誘導能は、老化マウス群は若年成体マウス群比較して著しく低かった。また老化マウス群はIgAスイッチングに関与する遺伝子発現の低下が認められた。しかしながらFlt3 LigandとCpGをアアジュバントに用いたところ、老化マウスに対して若年に匹敵する抗体価の上昇を認めることが出来た。またAdenovirus Flt3 Ligandをアジュバントに用いたところ、高い抗原特異的抗体誘導を示し、その作用機序としてCD11b^+樹状細胞が重要な役割を果たすことが示唆された。同アジュバントは老化マウスに対しても有効である可能性が多い。粘膜免疫誘導組織におけるCD11b^+樹状細胞のカイネティックスを現在解析中である。 歯周病は多因性疾患であることが知られている。P.gingivalisやA.actinomycetemcomitansなどの歯周病細菌を代表とする細菌性要因だけではなく、高脂肪食や高コレステロールなどの環境因子が歯周病感染にどのような影響を与えるか考察した。アポリポタンパクEノックアウトマウスに高脂肪食を投与し、P.gingivalisを感染させるとコントロール群と比較して著しい炎症性サイトカイン(TNFα,IL6)の上昇及び動脈硬化の誘導が認められた。現在TLR系分子の発現、マクロファージ及び樹状細胞など抗原提示細胞のキャラクタライゼーション、免疫誘導能を調査中である。
|