2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト人工染色体ベクターを用いた血友病細胞補充療法の開発
Project/Area Number |
20890130
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒崎 創 Tottori University, 医学系研究科, 助教 (70464295)
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Keywords | ヒト人工染色体ベクター / 血友病 / iPS細胞 / 細胞補充 |
Research Abstract |
FVIII発現ユニットマルチコピーを搭載したHACベクターを自己iPS細胞に導入し、ターゲットとなる細胞(間葉系幹細胞や線維芽細胞)に分化させ皮下移植するという最少数自己移植細胞による血友病補充療法モデルの確立することを目的としている。FVIII欠損マウス由来、血友病患者由来の線維芽細胞からiPSを作製し、それにFVIIIマルチコピーを搭載させたHACベクターを導入する。本研究が目指す治療モデル確立により健常組織の損失を回避すること、HACベクターを用いることで細胞当たりの産生の飛躍的な向上及びごく少数の移植細胞で因子を補充することが期待できる。 1,FVIIIの高効率補充療法のためのFVIIIの高発現型HACベクターをCHO細胞中で構築できた。8コピー、16コピーのFVIII発現HAC保持CHO細胞での発現解析を行った結果、4コピー搭載CHOよりも発現レベルが高いことがわかった。 2,iPS細胞の作製について、FVIII欠損マウス由来線維芽細胞をモデルマウスから培養し、現在4因子搭載レトロウィルスを感染後、iPSコロニーを得ている。患者由来ヒト線維芽細胞については入手、培養しiPS誘導を行っている。それぞれのクローンを取得次第、FVIII発現HACベクターを導入し、分化能や安全性をマウスで検討する。 1の結果から16コピーFVIII-HAC搭載CHO細胞から微小核融合法によりiPS細胞へ移入しHAC保持細胞を取得することを最優先していく。FISH解析でHACが一コピーの独立した極小染色体として保持されていることを確認する。ELISAとClotting assayにてiPS細胞培養上清中のFVIIIが発現、産生されていることを確認する。
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