2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト人工染色体ベクターを用いた血友病細胞補充療法の開発
Project/Area Number |
20890130
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
黒崎 創 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 助教 (70464295)
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Keywords | ヒト人工染色体ベクター / 血友病 / iPS細胞 / 細胞補充 |
Research Abstract |
FVIII発現ユニットマルチコピーを搭載したHACベクターを自己iPS細胞に導入し、分化させ皮下移植するという最少数自己移植細胞による血友病補充療法モデルの確立することを目的としている。FVIII欠損マウス由来、血友病患者由来の線維芽細胞からiPSを作製し、それにFVIIIマルチコピーを搭載させたHACベクターを導入する。本研究が目指す治療モデル確立により健常組織の損失を回避すること、HACベクターを用いることで細胞当たりの産生の飛躍的な向上及びごく少数の移植細胞で因子を補充することが期待できる。 1, FVIIIの高効率補充療法のためのFVIIIの高発現型HACベクターをCHO細胞中で構築できた。16コピーのFVIII発現HAC保持CHO細胞での発現解析を行い、4コピー搭載CHOよりも発現レベルが高いことがわかった。 2, iPS細胞の作製について、FVIII欠損マウス由来線維芽細胞をモデルマウスから培養し、3因子及び4因子搭載レトロウィルスを感染後、iPS誘導を行った。未分化マーカーの発現及びテラトーマ形成を確認できたので、FVID発現HACベクターを導入している。患者由来ヒト線維芽細胞についてはHAC移入前と移入後の細胞でiPS誘導を行ったが今のところ両者ともES様コロニーは確認できていない。マルチコピーのFVIIIを搭載したHACは線維芽細胞に移入できるということは確認できたがiPS細胞への移入は現在成功していない。 2の結果からマウスについては少なぐともiPS誘導、HAC移入は可能であり肝臓及び血球系細胞への分化誘導は検討済みであるので上清中のFVIIIの発現を確認することを最優先していく。患者由来の細胞は分裂能が著しく低下しており一時的に増殖を促すためp53ノックダウン及びhTERTの一過性発現後iPS化を試みている。
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