2009 Fiscal Year Annual Research Report
交代制勤務に従事する看護師の夜勤中の仮眠に関する研究
Project/Area Number |
20890140
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
折山 早苗 Okayama University, 大学院・保健学研究科, 准教授 (20457203)
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Keywords | 看護師 / 仮眠 / 深夜勤務 / 眠気 |
Research Abstract |
三交代制勤務に従事する看護師の眠気の改善や疲労感の低減効果のある仮眠のとり方を明らかにすることを目的とし、臨床で働く看護師が、深夜勤務中の休憩時間に2回の短時間仮眠をとることの有効性について研究を行った。対象者は、研究の同意が得られた総合病院3施設に働く交代制勤務経験3年未満の看護師16人とした。対象者を、午前2時台と午前5時台に15分間の仮眠をとる条件(以後、「仮眠あり」)と、とらない条件(以後、「仮眠なし」)の2グループに分け、深夜勤務前にホルター心電図および身体活動計(アクティマーカー)を装着し、午前0~9時の1時間毎に体温(舌下温)および眠気・疲労感の主観的評価をVisual Analog Scaleを用いて測定した。また、勤務前後の睡眠時間と勤務中の休憩時間についても調査し、有意水準は5%未満とした。結果、勤務前後の睡眠時間および勤務中の休憩時間や身体活動量に有意な差を認めなかったことより、2条件間の休息や勤務状況は同一とみなした。2条件ともに深夜勤務中の最も忙しい時間帯は午前6~7時台であり、心拍数も午前5~7時台にかけて増加していた。特に、「仮眠あり」は午前1時台と比べて午前6~7時台が有意に増加していた。体温は、午前7時の時点で「仮眠あり」が「仮眠なし」より有意に高かった。このことより、「仮眠あり」は活動量の増加とともに脈拍、体温が上昇し、勤務状況に適応可能であることが示唆された。一方、眠気は両条件ともに午前5時にかけて強くなり、その後、午前7時に改善した後、再び午前9時には上昇傾向となった。疲労感は、「仮眠なし」が午前2時と比べて午前6~9時に有意に悪化したが、「仮眠あり」は、勤務中有意な差を認めなかった。このことより深夜勤務中の主観的な眠気は、仮眠の有無にかかわらず朝方の身体活動量の増加とともに改善可能であるものの、疲労感の悪化を防ぐためには、2回の短時間仮眠が有効であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)