2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20890145
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原 貴彦 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 助教 (70511715)
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Keywords | KLEIP / 尿路上皮癌 |
Research Abstract |
われわれは、Kelch-like ECT2 binding protein(KLEIP)を単離し、KLEIPがMDCK細胞において細胞接着に関与していることを見出した。これまで、癌におけるKLEIPの役割は未だ検討されていない。 そこで、われわれは膀胱癌におけるKLEIPの発現を、免疫組織学的手法を用いて検討した。まず、代表的な膀胱癌細胞株(T24, EJ-1, TCC-SUP, KK-47, ScaBER)のKLEIPの発現について免疫蛍光法で検討した。調べた5個の細胞株すべてにKLEIPは発現していた。KLEIPは細胞質内に存在していた.蛍光免疫染色法を用いたGolgi maker(GM130, Golgin 97)との多重染色の結果,膀胱癌細胞株においてKLEIPはGolgi装置に局在していることを明らかにした。 膀胱正常組織と膀胱癌との間で、抗KLEIP抗体を用いた免疫組織学的染色法でKLEIPの発現量を検討した。膀胱癌患者42例より得られた標本71検体(正常組織8検体、膀胱癌63例)について調べた。膀胱癌の背景は、Grade別に、G1 : 7例、G2 : 32例、G3 : 24例で、Stage別では、pTa : 50例、pT1 : 6例、pT2以上:7例であった。正常組織ではKLEIPの染色は8例中5例(62.5%)が陽性であった.陽性例はいずれも弱陽性であった.膀胱癌組織では、63例中49例(77.8%)が陽性を呈した.KLEIP染色の強度は症例により差があった.強陽性を呈した例は,G3症例では24例中12例(50%),G1およびG2症例で39例中7例(18%)であり,Gradeが高いほどKLEIPの発現が多いことが明らかになった.T分類での検討では,Ta症例では50例中13例(26%),T1以上の症例では,13例中6例(46.2%)が強陽性を示したが,x二乗検定では,統計学的な有意差を認めなかった.以上より,KLEIPの発現量は癌の悪性度と相関がある可能性が示された。また、抗KLEIP抗体による免疫染色法は悪性度判定の新しいツールとして有用であると期待された。
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