2009 Fiscal Year Annual Research Report
就労している初回急性心筋梗塞患者の体験に関する現象学的研究
Project/Area Number |
20890147
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河村 敦子 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助手 (90509530)
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 現象学 / 就労 |
Research Abstract |
壮年期から中年期の就労している初回急性心筋梗塞患者の発症から退院3ヶ月後までの体験を分析した結果、局面1:生の不確かさを感じ動揺する、局面2:生を前向きに受け入れ自己コントロールを考える、局面3:今後の人生と自分の死生観とを統合し、終局を迎えた時に後悔がないように生きるという3つの局面へと意識が変遷していくことが明らかになった。 参加者の体験は、今までの価値観や人生観を変えるような衝撃の強い、自我意識が変化するような精神的に不安定な過程を経過する体験であった。このような患者に対し看護師は、悲嘆にくれている患者が、生きる意味を再確認し、新たな目標を見つけ出し、前向きに疾患と付き合っていけるように、スピリチュアル・ケアを提供することが期待される。 また、患者が仕事と向き合う体験では、入院中会社への気遣いや退院後の体力回復への不安から、職場復帰の時期を心配したり、退院後は仕事を辞めようと考えたり、今後の人生において仕事がしていけるのかを心配している。復職後にストレスが強い場合、禁煙していたが再び喫煙し始めている。このように産業医が在籍する企業においても、職場の上司から圧力をかけられている現状がある。退院後も、職場への思いを聴きながら、患者自身が心臓に負担の少ない生活行動を考えていけるように、患者のエンパワメントを高めていく必要がある。今後、急性心筋梗塞後の地域連携パスの普及が試みられ、退院後も身近なかかりつけ医や通所心臓リハビリテーションを利用できるようになり、地域の保健師による保健指導などが受けられるようになると、よりきめ細かい急性心筋梗塞患者への生活指導介入や精神的なケアが可能となることが予測される。
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