2009 Fiscal Year Annual Research Report
Th17、Tregとサイトカインによる口腔粘膜疾患の制御機構
Project/Area Number |
20890159
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉賀 大午 Kyushu University, 大学病院, 医員 (10507784)
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Keywords | 口腔粘膜疾患 / 扁平苔癬 / 白板症 / Th17 / Treg / IL-23 / SOCS / STAT |
Research Abstract |
本研究では自然免疫の破綻によって惹起されると想定される口腔粘膜疾患の治療を行うための研究を、TLRを介した自然免疫の破綻と炎症性サイトカインによるSTATの活性化へのSOCS3の関与について機能解析を免疫学的・分子生物学的レベルで行った。本申請では特に、Th17、Tregとサイトカインによる口腔粘膜疾患(白板症、扁平苔癬)の制御機構、病態形成のメカニズムを解明することを目的とした。白板症から口腔癌、扁平苔癬、各口腔粘膜疾患におけるTh17、Tregの検索を行った。これまでの報告同様、扁平苔癬ではTGFβの発現が認められ、白板症ではIL6、TNFα、IL-23の発現亢進が観察された。そこで扁平苔癬、口腔白板症、扁平上皮癌の組織標本を用いてTh17、Tregの発現を健常な粘膜をcontrolとして検索した。Th17、Tregに関しては、それぞれRORγt、Foxp3の発現、更にT-bet、GATA3の発現をRT-PCR法で検討した。いずれもTh17、Th1、Th2の発現が免疫染色で確認できた。特にTregは異形上皮に関係なく発現し、扁平上皮癌では腫瘍周囲に強く発現していた。さらにサイトカインの発現の解析を疾患別に各種T細胞サブセットに関与するサイトカイン、ケモカイン、ケモカインレセプターの相対的mRNA量を検討した。特にIL-23、IL-17、およびIL-6、TGFβは組織の免疫染色を行い、Th17の関与について検討した。IL-23、IL-6は白板症、扁平苔癬でともに発現が見られた、特に扁平上皮癌で強い発現を認めた。Th17の局在については明らかな特徴はつかめなかった。またSOCS3についてもセルラインで発現を認め、SOCS3遺伝子導入実験ではIL-23によるシグナルを抑制し、細胞増殖を抑えた。検体レベルでは免疫染色で異形性が高度になるにつれてSOCS3の発現は減少した。
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