2008 Fiscal Year Annual Research Report
ティッシュエンジニアリングによる培養気管の開発に関する研究
Project/Area Number |
20890181
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
野本 幸男 Fukushima Medical University, 医学部, 助教 (70508811)
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Keywords | 再生 / 気管 / ティッシュエンジニアリング |
Research Abstract |
本研究の目的である、気管再生において利用可能な自己由来のcell sourceの探索の一環として、ラット、ウサギから皮膚由来繊維芽細胞を採取する技術を確立した。SD系ラット、日本白色系ウサギを全身麻酔下に、気管、背部、頸部、足指の皮膚を採取し、組織片培養および継代培養を行った。その結果、気管、皮膚由来線維芽細胞を獲得できた。 さらに線維芽細胞に人工気管に付加した移植片を作製する技術、ラット、ウサギの気管欠損モデルの作製技術、ラット、ウサギへの移植方法を確立した。得られた線維芽細胞を一定濃度でブタ由来I型コラーゲン溶液に混合し、自己再生型人工気管の表面にゲルとして重層した。自己再生型人工気管の形状に関して、ラットでは板状のものを、ウサギではウサギの気管径にあわせて新規に作製した筒状の人工気管を必要な大きさに切り取って使用した。全身麻酔下にラット、ウサギの前頸部を切開し気管を露出させた後、気管前壁を開窓した。移植片のコラーゲンゲルを重層した側を内腔面に向け欠損部に留置し気管再建とした。観察期間の後に気管を摘出し標本を作製し組織学的に評価したところ、気管由来線維芽細胞含有モデルでは、ラットにおいても、ウサギにおいても移植後2週間で成熟した再生気管上皮が観察されていた。細胞を含まないコントロールモデルとの比較では早期に気管上皮が再生したことが示され、線維芽細胞の上皮化促進効果が示唆される結果が得られた。
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Research Products
(6 results)