2009 Fiscal Year Annual Research Report
ティッシュエンジニアリングによる培養気管の開発に関する研究
Project/Area Number |
20890181
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
野本 幸男 Fukushima Medical University, 医学部, 助教 (70508811)
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Keywords | 再生 / 気管 / ティッシュエンジニアリング |
Research Abstract |
(具体的内容)我々は既に臨床応用まで到達している組織再生誘導型人工材料に関し、再建後の人工材料内腔面の上皮化促進を目的に、人工材料に細胞成分を付加した新規培養気管の開発に取り組んできた。これまでは気管由来の線維芽細胞を人工材料に付加し、ラットやウサギを用いた移植実験にてその上皮化促進効果を確認した。一方で、気管由来の細胞の利用は臨床応用を考慮すべきと考えられ、cell sourceとして比較的多い細胞数を容易に採取できる真皮由来線維芽細胞を選択した。ラット真皮由来線維芽細胞を培養しI型コラーゲン溶液に一定濃度で混合し、組織再生誘導型人工材料に浸透させゲル化させ、線維芽細胞を付加した培養気管を作製した。さらに人工材料表面に気管上皮細胞を播種する形で線維芽細胞及び気管上皮細胞を付加した培養気管も再生した。全身麻酔下にラットの輪状甲状膜~輪状軟骨~輪状気管靱帯を腹側で開窓し、先に示した培養気管で再建した。人工材料のみで再建したモデルをコントロールとした。所定の観察期間の後に組織を摘出し、組織学的に観察したところ、1週後、2週後では培養気管で再建したモデルではコントロールに比べ、気管上皮の上皮分化が早期に得られており、血管新生などの粘膜下組織の再生もより進んでいた。真皮由来線維芽細胞が、気管の上皮化促進に寄与する可能性が示唆された。 (意義・重要性)組織再生型人工材料に細胞成分を付加した新規培養気管の開発において、cell sourceとして利用しやすい真皮由来線維芽細胞の本研究への利用価値が確認出来たことは意義のあることであり、今後、自己真皮由来線維芽細胞を付加した新規培養気管の開発を進める上で重要なエビデンスと考えられた。
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Research Products
(3 results)